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会長挨拶

6代目の会長に就任しました愛知教育大学の野田敦敬です。どうぞよろしくお願いいたします。本学会は、平成4年12月に埼玉で開催された第1回全国大会で設立されました。
先輩方のご努力で会員約1200名の学会に成長してきました。私は、平成6年小学校の教員をしていたころに入会し、平成7年度の名古屋市教育研究員(生活科)として国内留学で、前会長の寺尾愼一先生始め多くの方と生活科教育について語り合い、生活科教育の充実に向けて実践研究をする多くの仲間が集う学会の大切さを強く感じました。その後、大学に着任することになり、学会事務局を仰せつかりました。同じ時期に、「総合的な学習の時間」が創設され、学会名も「日本生活科・総合的学習教育学会」と改名しました。本学会の目的は、生活科と総合的学習の実践や教育研究を行うと共に会員相互の連絡と協力をうながし、教育研究の成果を広く社会に発信することを通して、生活科と総合的な学習の充実発展と普及に努めることにあります。

 さて、会長就任間もない平成29年6月末に、鳥取県米子市の南の南部町の全校児童185人の小さな小学校で2年生生活科の授業を参観しました。1学期の町探検の終盤の場面で、町の中心部にある看板屋さんと図書館を探検したグループの発表でした。看板屋さんグループは、絵や写真を使ってテンポよく発表しました。聞いている子どもからは、「へー」「知ってる」「おー、『みずかぜ』だ」というように興奮気味のつぶやきもあり、盛り上がったものになりました。発表後の話し合いでは、「歩いているとよく見る看板が、誰がつくったのか分かりました」「図書館の人の顔は知っていたけど、『さいが』さんって名前が分かってよかったです」など、発表内容を自分とのかかわりで捉えている姿がありました。図書館グループの発表後の話し合いは何人もの子どもが発言し、まだ数名手があがっていましたが、時間の関係で打ち切りとなりました。そのときです。発表者の一人の女児が「今、手を挙げていた人、あとから聞きに来てください」と。この発言には驚きました。真剣に聞いて質問や意見を言いたいと思っている級友に応えたい思い、まだまだ伝えたいことが一杯ある自信に満ちた姿に感動しました。また、地域の方々の気持ちにも感激しました。看板屋さんは、2年生のために学級の旗をつくってプレゼントしてくださったのです。意気揚々とそれを披露する男児の姿も印象的でした。教師が地域の店などに行き、町探検を通して、こんな子どもを育てたいという熱い思いを伝える。その思いに地域の人々が応え、熱い思いを子どもに伝える。子どもは、その思いを級友に伝える。そんな基盤があってこそ、この授業は成立するのだと思いました。まさに、「社会に開かれた教育課程」が実現できている姿です。
 私は、全国多くの地区で、このように生活科や総合的学習の授業を見せてもらい、素敵な子どもたちや先生方に出会っています。私は、生活科や総合的学習の授業を通して、語り合うのが大好きです。授業を通して語り合った皆さんとは、そのあともいろいろな機会に繰り返し関わることでき、生活科や総合的学習の充実に向けて、励まし合い前進しています。このような関係は、学会員である幼稚園・保育所、小学校、中学校、高等学校、特別支援学校等の先生方、教育行政に携わってみえる方々、NPOや出版社等の皆様、大学等の研究者の皆様の間で、日常的に展開されていることと思います。
 今後も生活科・総合的学習の本質である子どもの成長を支え、将来につなげていくためには、どんな活動や体験、教材等を構成するとよいかを学会員の皆様と考えていきたいと思っています。

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