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会長挨拶

☆_MG_10142023年度からの第11期の会長を務める田村学です。

新型コロナ感染症の拡大は、わたしたちの社会活動を停止させ、大切な命を失う状況を生みました。先の見えない閉塞感の中、日本全国の学校は丁寧で慎重な対応を繰り返し、一人一人の子供の安全と安心を確保してきました。コロナ禍において、社会の安定に対して学校が果たしてきた役割が極めて大きかったことは、誰もが認めることでしょう。

ようやく社会状況が回復し始め、学会の全国大会神奈川大会を対面で実施することができました。1400人もの参加者が全国から集い、熱い二日間を終えることができました。大規模な研究大会を生活科・総合的な学習(探究)の時間を実践研究する学会が、他に先駆けて催すことができたことは誇らしいことです。

一方で、コロナ禍の経験は、社会に新しい価値を求めているように感じます。それは、持続可能性や倫理性、多様性かもしれません。さらに言えば、生成AIの存在が、社会だけではなく教育の有り様を大きく変えようとしています。学ぶことの意味は新しく問い直され、探究することの必要性はますます高まるでしょう。体験による身体性の価値が改めてクローズアップされるものと思われます。これからの社会は、生涯にわたって学習し続ける社会から、生涯にわたって探究し続ける「生涯探究社会」へと変容すると考えることができるのです。

こうした中、学校の社会資本としての価値が問われることとなるでしょう。また、教育課程における生活科や総合的な学習(探究)の時間の役割は、今まで以上に大きなものとなりそうです。日本生活科・総合的学習教育学会が、そうした社会状況に対して、確かな実践と研究の積み重ねによって貢献することを目指したいと思います。これまでと同様に、それ以上に、一人一人の子供の学びの姿を大切にした教育研究が広く展開され、深い議論とともに発展していくことを第11期の会長として取り組んでいきたいと考えています。

日本生活科・総合的学習教育学会 第11期会長 田村 学

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